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新型コロナウイルスに関連する労務問題Q&A

このページでは、新型コロナウイルスに関連する労使間の問題について事業者向けにご説明します。
個別の事情によっては微妙な判断が求められることもありますので、お悩みの場合には弁護士にご相談することをお勧めします。

<休業させる場合の留意点>

Q1 新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。

<感染した労働者を休業させる場合>

Q2 労働者が新型コロナウイルスに感染したため休業させる場合に休業手当を支払う必要はありますか。その他に該当し得る補償はありますか。

<感染が疑われる労働者を休業させる場合>

Q3 新型コロナウイルスへの感染が疑われる労働者について、使用者の判断で休業させる場合には、休業手当の支払いは必要ですか。

<発熱などがある労働者の自主休業>

Q4 労働者が発熱などの症状があるため自主的に休んでいます。休業手当の支払いは必要ですか。

<事業の休止に伴う休業>

Q5 新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず休業とする場合等にどのようなことに注意すればよいのでしょうか。

<休業手当の支払いが不要な場合の賃金>

Q6 新型コロナウイルス感染症に関連して労働者を休業させ、休業手当の支払いが不要である場合について、労働者に対する賃金の支払いは不要でしょうか。

<年次有給休暇としての取り扱い>

Q7 新型コロナウイルスに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取り扱いは、労働基準法上問題はありませんか。

<パートタイム労働者等への適用について>

Q8 パートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者についても、休業手当の支払いや年次有給休暇の付与は必要でしょうか。

<特別休暇の導入の手続>

Q9 新型コロナウイルスに関連して、労働者が安心して休めるよう、有給の特別休暇を付与したいと考えています。具体的な手続はどのような方法がありますか。

Q10 新型コロナウイルス感染症で小学校、特別支援学校等の臨時休業に際して、会社勤務の労働者が子どもの世話をするために休暇を取得する場合、どのような支援がありますか。

<外国人の労働者に対する労働基準法の適用>

Q11 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、年次有給休暇など)については、外国人にも適用されますか。

<外国人労働者に対する適用>

Q12  小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援(Q10)は、外国人を雇用する事業主にも対象になりますか。

<保育所への登園自粛を要請された場合の育児休業の延長>

Q13 保育所に子どもを入所させる予定だった労働者が、市区町村等から当該保育所への登園自粛の要請を受けたため、当面子どもを保育所に預けないこととなりました。こうした場合、育児休業の延長を認めなければならないでしょうか。

<自主的に保育所への登園を自粛した場合の育児休業の延長>

Q14 保育所に子どもを入所させる予定だった労働者が、市区町村等からの登園自粛の要請は受けていないものの、感染防止のために自主的に子どもを保育所に預けないこととしました。こうした場合、育児休業の延長を認めなければならないでしょうか。


<休業させる場合の留意点>

Q1 新型コロナウイルスに関連して労働者を休業させる場合、どのようなことに気をつけるべきでしょうか。

労働基準法第26条では、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。
 ただし、就業規則等により各企業において、100分の60を超えて休業手当を支払うことを定めていただくことは差支えありません。このような場合、雇用調整助成金の支給対象となる場合があります。詳細については下記の厚生労働省のホームページを参照してください。
 なお、不可抗力による休業の場合は、「使用者の責に帰すべき事由」に当たらず、使用者に休業手当の支払義務はないとされています。
不可抗力による休業と言えるためには、

(1)その原因が事業の外部より発生した事故であること

(2)事業主が通常の経営者としての最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故であることという要素をいずれも満たす必要があります。

(1)に該当するには、例えば、今回のいわゆる緊急事態宣言よる要請や指示などのように、事業の外部において発生した、事業運営を困難にする事故が休業の原因といえることが必要となります。

(2)に該当するには、使用者として休業を回避するための具体的努力を尽くしていると言える必要があります。
具体的な努力を尽くしたと言えるか否かは、例えば、

・自宅勤務などの方法により労働者を業務に従事させることが可能な場合において、これを十分に検討しているか
・労働者に他に就かせることができる業務があるにもかかわらず休業させていないか
といった事情等から判断されます。

したがって、いわゆる緊急事態宣言による要請等を受けて事業を休止し、労働者を休業させる場合であっても、常に使用者の休業手当の支払義務がなくなるものではありません。 ご注意ください。

【雇用調整助成金等の詳細】(厚生労働省のホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#hatarakukata

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<感染した労働者を休業させる場合>

Q2 労働者が新型コロナウイルスに感染したため休業させる場合に休業手当を支払う必要はありますか。その他に該当し得る補償はありますか。

新型コロナウイルスに感染しており、都道府県知事が行う就業制限により労働者が休業する場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当しないと考えられますので、原則として休業手当を支払う必要はありません。
なお、感染した労働者が、支給要件を満たす場合、傷病手当金が支給されます。具体的には、療養のために労務に服することができなくなった日から起算して3日を経過した日から、直近12カ月の平均の標準報酬日額の3分の2について、傷病手当金により補償されます。

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<感染が疑われる労働者を休業させる場合>

Q3 新型コロナウイルスへの感染が疑われる労働者について、使用者の判断で休業させる場合には、休業手当の支払いは必要ですか。

職務の継続が可能である従業員に、使用者の自主的な判断で休業させる場合には、基本的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があると考えられます。
「職務の継続が可能」かどうかは、いわゆる「帰国者・接触者相談センター」での相談の結果などを踏まえて判断されることになりますが、判断が難しいケースもあると思われます。労使間で協議の上、労働者に配慮した対応を行うことが望ましいと言えるでしょう。

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<発熱などがある労働者の自主休業>

Q4 労働者が発熱などの症状があるため自主的に休んでいます。休業手当の支払いは必要ですか。

このような場合には、基本的には、「使用者の責に帰すべき事由による休業」にはあたらず、休業手当を支払う必要はないと考えられます。就業規則等に従って、通常の病欠と同様に取り扱うことになりますが、有給休暇の利用が可能であれば、これを労働者に促すことも考えられます。
なお、一定の要件を満たせば、傷病手当金の支給対象となることもあります。

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<事業の休止に伴う休業>

Q5 新型コロナウイルス感染症によって、事業の休止などを余儀なくされ、やむを得ず休業とする場合等にどのようなことに注意すればよいのでしょうか。

休業による労働者の不利益を回避するように努力することが大切です。労使双方の建設的な話し合いが重要となります。
事業の休止に伴う休業が、「使用者の責に帰すべき事由」による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています(労働基準法第26条)。一方、事業の休止に伴う休業が、不可抗力による休業の場合(Q1参照)は、使用者に休業手当の支払義務はありません。
例えば、大口の取引先の一つが新型コロナウイルス感染リスクを考慮して事業を休止したことにより、自社も事業を休止した場合には、当該取引先への依存の程度、他の代替手段の可能性、事業休止からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力(自宅待機によって代替できるか)等を総合的に勘案し、判断する必要があると考えられます。
なお、不可抗力に該当すると判断できる場合であっても、労働者に配慮して、就業規則等に基づいて休業に対する手当等を支払うということは差し支えありません。

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<休業手当の支払いが不要な場合の賃金>

Q6 新型コロナウイルス感染症に関連して労働者を休業させ、休業手当の支払いが不要である場合について、労働者に対する賃金の支払いは不要でしょうか。

労働者に対する賃金の支払は、法的には不要です。ただし、このような場合においても、労使の話し合いのうえ、就業規則等により休業させたことに対する手当を支払うことは差支えありません。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大防止が強く求められる中で、事業主が自主的に休業し、労働者を休業させる場合については、経済上の理由により事業の縮小を余儀なくされたものとして、雇用調整助成金の助成対象となる可能性があります。

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<年次有給休暇としての取り扱い>

Q7 新型コロナウイルスに感染している疑いのある労働者について、一律に年次有給休暇を取得したこととする取り扱いは、労働基準法上問題はありませんか。

年次有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないものなので、使用者が一方的に取得させることはできません。
 ただし、使用者から、事情を説明して、労働者に年次有給休暇の取得を促すことは差し支えありません。

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<パートタイム労働者等への適用について>

Q8 パートタイム労働者、派遣労働者、有期契約労働者についても、休業手当の支払いや年次有給休暇の付与は必要でしょうか。

これらの労働者も労働基準法上の労働者であり、取得要件を満たす場合には、休業手当の支払いや年次有給休暇の付与が必要です。
なお、派遣労働者は、あくまでも派遣元企業に雇用されていることから、派遣労働者の賃金や手当、有給休暇などはすべて派遣元企業と派遣労働者間の契約関係等から発生するものです。
 したがって、例えば、派遣先企業が直接雇用する労働者に対して特別手当を給付する場合、派遣労働者に対しても同様にそうした手当を給付しなければならないわけではありません。

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<特別休暇の導入の手続>

Q9 新型コロナウイルスに関連して、労働者が安心して休めるよう、有給の特別休暇を付与したいと考えています。具体的な手続はどのような方法がありますか。

新たに特別休暇制度を設ける場合には、その内容を就業規則に定め、労働者に周知することが必要となります。就業規則の定め方など、制度導入に関するより具体的なご相談は、関係機関にお問い合わせください。

【都道府県労働局雇用環境・均等部(室)】
https://www.mhlw.go.jp/content/000604422.pdf

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<小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援>

Q10 新型コロナウイルス感染症で小学校、特別支援学校等の臨時休業に際して、会社勤務の労働者が子どもの世話をするために休暇を取得する場合、どのような支援がありますか。

臨時休業した小学校や特別支援学校、幼稚園、保育所、認定こども園などに通う子どもを世話するために、2/27~6/30の間に労働者(正規・非正規を問わず)に有給の休暇(法定の年次有給休暇を除く)を取得させた会社に対し、休暇中に支払った賃金全額(1日8,330円が上限)の助成を受けられます。

【詳細はこちら】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html

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<外国人の労働者に対する労働基準法の適用>

Q11 労働者を休ませる場合の措置(休業手当、年次有給休暇など)については、外国人にも適用されますか。

労働基準法の適用があるか否かに、外国人であるかは関係ありません。
外国人の方であっても、労働基準法の労働者に当たる場合は、一定の要件を満たす場合には、労働基準法における休業手当の支払いが必要です。また、労働者が年次有給休暇を請求した場合においては、原則として、労働者が請求する時季に与える必要があります。

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<外国人労働者に対する適用>

Q12  小学校等の臨時休業に伴う保護者の休暇取得支援(Q10)は、外国人を雇用する事業主にも対象になりますか。

事業主に雇用される労働者であれば外国人についても適用されます。

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<保育所への登園自粛を要請された場合の育児休業の延長>

Q13 保育所に子どもを入所させる予定だった労働者が、市区町村等から当該保育所への登園自粛の要請を受けたため、当面子どもを保育所に預けないこととなりました。こうした場合、育児休業の延長を認めなければならないでしょうか。

以下のように整理できます。

【子どもが1歳までの場合】
現在育児休業中の労働者から申出があった場合、事由を問わず育児休業の終了予定日の繰下げ変更を認める必要があります。
 また、育児休業から一度復帰している労働者から再度の休業の申出があった場合も、休業を認める必要があります。
なお、繰下げ変更後の休業期間又は再度の休業期間についても育児休業給付金は支払われます。

【子どもが1歳又は1歳6か月になるときの場合】
子どもが1歳又は1歳6か月になるときに、引き続き育児休業をしたい旨労働者から申出があった場合、育児休業(1歳からの休業は最長1歳6か月まで又は1歳6か月からの休業は最長2歳まで)を認める必要があります。
 なお、引き続き休業した期間についても育児休業給付金は支払われます。

このほか、労使の協議により、例えば子どもが2歳以上の場合などについても独自に休業を認めることは差し支えありません。なお、こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。

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<自主的に保育所への登園を自粛した場合の育児休業の延長>

Q14 保育所に子どもを入所させる予定だった労働者が、市区町村等からの登園自粛の要請は受けていないものの、感染防止のために自主的に子どもを保育所に預けないこととしました。こうした場合、育児休業の延長を認めなければならないでしょうか。

以下のように整理できます。

【子どもが1歳までの場合】 現在育児休業中の労働者から申出があった場合、事由を問わず育児休業の終了予定日の繰下げ変更を認める必要があります。
 なお、繰下げ変更後の休業期間についても育児休業給付金は支払われます。
 また、育児休業から一度復帰している方から再度の休業の申出があった場合には、再度の休業を認める必要はありません。ただし、各企業において独自に再度の休業を認めることは差し支えありません。
 こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。

【子どもが1歳又は1歳6か月になるときの場合】
子どもが1歳又は1歳6か月になるときに、引き続き育児休業をしたい旨労働者から申出があった場合、申出を認める必要はありません。ただし、各企業において独自に休業を認めることは差し支えありません。
 なお、こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。

このほか、労使の協議により、例えば子どもが2歳以上の場合などについても独自に休業を認めることは差し支えありません。なお、こうした法を上回る対応により認められた休業期間については、育児休業給付金は支払われないためご留意ください。

【参考資料】
 厚生労働省ホームページ:新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html

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